ニュース
2025年11月10日

【IoBコア技術・IoB極低侵襲技術開発】栁澤琢史 氏、関谷毅 氏らの国際共同研究グループによる研究成果のプレスリリース発表されました

2025年10月3日(金)、IoBコア技術チーム(サブプロジェクトマネージャー:栁澤琢史 氏)およびIoB極低侵襲技術チーム(サブプロジェクトマネージャー:関谷毅 氏)を中心とする国際共同研究グループの研究成果について、大阪大学よりプレスリリースが発表されました。

微小な脳血管内から計測される血管内脳波(ivEEG)は、極低侵襲なブレイン・マシン・インターフェース(BMI)の基盤技術として期待されています。しかし、既存のステントを用いた手法は、電極の留置場所が上矢状静脈洞(SSS)などの大きな血管内に限定されており、高精度なBMI制御に不可欠な手や口の動きに関わる特定の皮質領域の活動をクリアに捉えることが難しく、技術的な課題となっていました。

本研究では、ブタにおいて、臨床用の極細ガイドワイヤーを電極として使用し、カテーテルで脳の細い血管(皮質静脈・深部静脈)まで誘導して脳波を記録しました。その結果、皮質静脈からの血管内脳波(CV-ivEEG)は、従来のSSSからの脳波よりも高い信号強度を示し、開頭手術を伴う手法で、脳の表面から計測される脳波(ECoG)に匹敵する精度があることを明らかにしました。さらに、開頭手術では電極留置が難しい脳の深部でも極低侵襲に電極を留置し、高精度の脳波を得られることを示しました。

この成果は、てんかん治療の精度向上や、重度の麻痺患者の意思伝達・運動補助を可能にする次世代BMIの実用化に大きく貢献すると期待されます。

詳細は下記のプレスリリースをご確認ください。
\カテーテルで脳活動計測/ 微細な脳血管の中から計測した脳波の有用性を実証―血管内電極で低侵襲的に多領域の脳波を計測する新技術―

<span style="font-weight: 400;">国際共同研究グループ参加メンバー</span>

IoBコア技術チーム

  • サブプロジェクトマネージャー 栁澤琢史 氏(大阪大学大学院医学系研究科 神経情報学 教授)

IoB極低侵襲技術チーム

  • サブプロジェクトマネージャー 関谷毅 氏(大阪大学 産業科学研究所 教授)
  • 課題推進者 中村元 氏(大阪大学大学院 医学系研究科 脳神経外科学 講師)
  • 課題推進者 植村隆文 氏(大阪大学 産業科学研究所 准教授)
  • 課題推進者 David Grayden 氏(メルボルン大学 生体医工学部 教授)